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 ワイシャツはホワイトシャツの略称である。ジャケットの下に着るいわゆるワイシャツは、ここではドレスシャツと呼ぶことにする。今わたしが語ろうとしているのは、グンゼなどに代表される下着としてのシャツ、インナーシャツである。ここでは単にシャツと呼ぶことにする。


 ダンディズムに興味をお持ちの諸賢はご存知のことだろう、ドレスシャツはもともと下着であった。あの長い裾はパンツに使う。なのでドレスシャツはもともとパンツ兼シャツだった。レストラン等でジャケット着用が義務づけられているのは、パンツ一丁でのさばられては困るからである。


 しかし、時は流れ、パンツも発明され、肌に直接着るのはなんかいやだということになり、多くの人がシャツを着用して、その上にドレスシャツを着用していると思われる。


 もし、「自分はダンディズムを極めたいので素肌の上にドレスシャツを着る」というなら、それは正解であるので、この項は飛ばして頂いて構わない。


 しかし、ドレスシャツの下にシャツを着るならば、それは袖無しか半袖か最悪でも七分丈にするべきだ。長袖のシャツはカフから見えてしまうことがある。


 色は白か肌色がいい。ドレスシャツは薄いので、色つきのシャツは透けて見えてしまう。特に、ジャケットを脱がなければならない場合などは、肌色がいい。ネクタイもしない、ジャケットも着ない状態のドレスシャツは、シャツの襟首や袖の位置をはっきりと示してしまう。


 逆に言えば、だからこそタイとジャケットは必須だということになる。
 柄物のTシャツなどが論外であることは言うまでもない。


肌着としてのパンツ スーツスタイルの妨げにならない限り、ブリーフでもトランクスでもボクサーでもフンドシでも好きなものを着用するといい。


 しかし、パンツは見えないから柄など何でもいいと考えるのは大間違いだ。実は、盛夏用の薄手で、明るいライトグレーのようなトラウザーズの場合透けることがある。健全な男性諸君は女性のパンツがスカートから透けているのをご覧になったことがあると思う。あれと同じ現象が、例えば、ジャケットを脱いで前屈みになったときなどに生ずるのである。パンツといえども油断は禁物である。自分の経験に照らして言えば、赤のチェックとかは最悪である。

肌着としてのシャツ

シャツとパンツ、油断するまじ。
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